最近はこの言葉を聞くことも減りましたが、2020年ごろ「不要不急」というワードを毎日のように聞いていました。
「不要不急」とは、する必要でないもの、急いでする必要のないこと。
このワードの元、たくさんの飲食店や施設が閉まっていたし、外を歩く人も減っていました。
「不要不急」の破壊力は凄まじく、2020年当時陶芸を勉強中だったわたしの行動の大半がこのワードにひかかっていました(笑)
だって世間的にみて、陶芸の勉強をする必要はないし、今急いでする必要のないことですから。

目次
わたしの仕事は不要不急?
不要不急は文化的なものの多くが当てはまります。
もちろんアートにも当てはまるわけで、ちょっと絶望的な意味になります。
「わたしの仕事は不要不急なのか」って。
確かに、「それ今絶対必要ですか?」と言われると答えに困ってしまいます。
さらに、もっと大きい視点で考えると、争いの絶えない状況でアートにはなんの力もないです。アート単体で世界が平和になることはないと思います。
つまり、アートが不要不急にあてはまるのは逃れられない真実なのだと思います。
「そうなると、アートはなぜあるんだろうか」と疑問になったので自分なりに考えてみました。
人の心を豊かにする。正直これに尽きる。
確かに不要不急の筆頭かもしれませんが、アートは人の心を豊かにします。
世界最古のアートはアルタミラ洞窟の壁画です。これは本来は情報を伝達するための手段の一つだったかもしれない。そこから19世紀に写真技術が生まれて情報伝達の役割が無くなったにも関わらず、今現在まで続いています。
それは「なぜ生まれたのか」「なぜ生きているのか」その根源的な疑問がアートがここまで続いてきた理由だと思うんです。
「生きる」ことへの疑問や恐怖や思いの表現として、人の心に寄り添う存在だと思います。
根本的にアートは人の心を豊かにするものなのです。
やっぱりアートは必需品
現代は、不要不急のもので溢れかえっています。アートや音楽やファッションなど、それは「文化」となって私たちの生活に溶け込んでいます。
もう、これらを取り除いた生活は不可能といっても過言ではないです。
人がさらに、人生の幸福度を高める時や心を豊かにする手段は不要不急のものでしか得ることができないのではないでしょうか。
この不要不急に当てはまるものは全て長い歴史の上に成り立つ「平和」「安定」が土台となっている仕事なのだと思います。
それってとても幸せなことだと思いませんか。
「数百年前の貴族より現代の庶民の方が豊か」という言葉があるほど、現代は恵まれているし、豊かです。
誰もが好きなように生きていい現代なんです。
こんな自由な時代のわたしたちが、心を豊かにするのは「人の心を豊かにする」アートなのではないでしょうか。
つまり、現代の私たちにとってアートは必需品なのです。
ではまた:)